第67回AM 問4
- いなかもん
- 2021年2月25日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年3月2日
糞便の特徴と疾患の組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。
1 黒色便…下部消化管出血
2 灰白色便…閉塞性黄疸
3 白色下痢便…アメーバ赤痢
4 米のとぎ汁様便…コレラ
5 イチゴゼリー状軟血便…細菌性赤痢
正解 2,4
便と疾患の関係は、機序と結びつければ覚えやすいです。
1 黒色便(タール便)
→上部消化管出血によるもの。(胃がんや胃炎、食道がんなど)
血液は出血後時間が経つと、濃く、黒っぽくなるため、黒色便となります。
2 灰白色便
→閉塞性黄疸によるもの。
便の色は、胆汁から便中に排泄されたウロビリン、ステルコビリンによるものです。
ですので、胆汁の排泄がうまくいかないと茶色い便が出なくなり、灰白色便となります。
健常者では造影剤を飲んだ後に見られます。造影剤は消化・吸収できないためです。
3 白色下痢便
→主にロタウイルス、ノロウイルスによるもの。
4 米のとぎ汁様便
→白色下痢便と同じなのでは…?と思うかもしれませんが、とにかく何も考えず、「米のとぎ汁様便=コレラウイルス」で覚えましょう。
5 イチゴゼリー状軟血便
→こちらも何も考えず、「イチゴゼリー状軟血便=アメーバ赤痢」で覚えましょう。
出題頻度は低いですが、腸重積でも見られます。
上記のほか、覚えておいたほうがいいものを以下に書いておきます。
粘血便、鮮紅色便
→黒色便は上部消化管出血ですが、こちらは下部消化管出血によるものです。
下部の出血だと血液が黒っぽくなる前に排泄されるので、粘血便や鮮紅色便となります。
脂肪便
→主に膵炎や膵癌によるものです。
膵臓は脂質の代謝を行うため、膵臓の病変で脂質の分解ができなくなり、便と脂肪が一緒に出るためです。
鉛筆状便
→主に大腸癌、直腸癌によるものです。
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